2018年 5月 30日

テキスト1の、コドンとアンチコドンの違いが良く分かりません。

【Q&A】
テキスト1の、コドンとアンチコドンの違いが良く分かりません。
コドンはm RNAにある?アンチコドンはt RNAにある?
調べてみてもまだ何のためにあるのか良く分かりません・・・

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ご質問に回答させていただきます。
ご理解いただいている通り、
mRNAがコドンを、
tRNAがアンチコドンを持ちます。
そしてアンチコドンは、tRNAがアミノ酸を運んで来た際に、どこに運べばよいかを明確にする(ミスを防ぐ確認の様な)役割を持ちます。

まずコドンとは、塩基3つで1つとする遺伝情報の暗号です。
DNAやそれからできるmRNAには塩基がたくさん含まれていますが、その塩基は3つで1つのアミノ酸を指定する暗号として機能しています。
(例えば、ウラシルという塩基が3つ並んでいれば、これはフェニルアラニンというアミノ酸を持ってきて、という暗号(合図・命令)になっています。)

そして、mRNAの情報からたんぱく質を合成する「翻訳」という段階では、
mRNA上にあるコドンを読み取って、指定されたアミノ酸を持ってくる、という作業が必要です。(アミノ酸がつながり、たんぱく質となります。リボソームで行われます。)

この作業の際に、アミノ酸を運んで来る(トラックの様なもの)のが、tRNAです。
mRNAにあるコドンというアミノ酸を指定する暗号に沿って、実際にアミノ酸を運んできます。

「アンチコドン」は、このtRNAがアミノ酸を運んで来た際に活躍します。

テキスト1-P39にある通り、塩基はそれぞれ「相補的塩基対」と呼ばれる、結合するペアが決まっています。(RNAの場合、アデニンはウラシルと対をなす。)
これはmRNAとtRNAの間においても同様で、
mRNAのコドンが「ウラシル・ウラシル・ウラシル」(フェニルアラニンを持ってきてという暗号)だった場合、tRNAはウラシルと相補的塩基対をなす「アデニン・アデニン・アデニン」という塩基3つ(アンチコドン)を持っていることで、どこにフェニルアラニンを運んで来ればよいか?ということが明確になります。
実際には、mRNA上のコドンに、tRNAが持つアンチコドンが結合し、同時にtRNAが持つアミノ酸が並んでいく、という流れになっています。

イメージとしては、身体はたんぱく質を合成する際のアミノ酸を並べるという作業において、間違えないように確認作業を行っているというものです(^^