2016年
12月
06日
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2016年
12月
06日
ファンスタディ会員の皆様
こんにちは!
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長井彩子です。
今日はいただいたご質問を紹介します♪
質問です。
○○研究のところです。
テキスト5の29-6 の習慣的なビタミンcと脳血管疾患の関係の問題です。横断研究ではないことはわかりますが、
これをもしもやるとしたら、症例対照研究? コホート研究?
ランダム化比較対照研究?
30-152で習慣的な飽和脂肪酸と脳梗塞の関連は、コホート研究ということなので、29-6もコホート研究だと思うのですが、ランダムでも症例対照研究でもいい気がします。
29-6のアスベストの問題では、解答が症例対照研究ですが、
これは、過去に受けたアスベスト(原因)によって悪性中皮腫になったかを調べるから症例対照研究なのですか?
症例対照研究は、過去に戻って症例群と対照群を比較するのですよね?
コホート研究は、暴露群と非暴露群とを未来に?追跡していって予後を比較するのですよね?
ランダム化比較対照研究は、無作為抽出した2つの群を一方は介入して、もう一方は放置して、その後の介入結果の影響を比較するのですよね?
29-6のビタミンcの問題は、ランダム化でもコホートでも、過去に戻るなら症例対照研究でもいい気がします。
この3つを使い方を分かりやすく教えてください。
お願い致します!
【長井からの回答】
>これをもしもやるとしたら、症例対照研究? コホート研究?
ランダム化比較対照研究?
どの方法でもやることができます。
●症例対照研究の場合
脳卒中(症例群)と脳卒中でない群(対照群)を集めます。
↓
脳卒中の人たちの過去のビタミンC摂取量と、
脳卒中でない人達の過去のビタミンC摂取量を比べます。
↓
脳卒中の人たちの過去のビタミンC摂取量が、
脳卒中でない人達の過去のビタミンC摂取量より少ない場合
ビタミンCを十分に摂取することが脳卒中の予防となると予測できます。
●コホート研究の場合
ビタミンCの摂取量が十分な曝露群と
ビタミンCの摂取量が不十分な非曝露群を追跡します。
↓
曝露群の方が脳卒中罹患率が低い場合、
ビタミンCを十分に摂取することが脳卒中の予防となると予測できます。
●介入研究の場合
ビタミンCのサプリメントを摂らせる介入群と
ビタミンCのサプリメントでない偽薬(プラシーボ剤)を摂らせる対照群を追跡します。
↓
介入群の方が脳卒中罹患率が低い場合、
ビタミンCを十分に摂取することが脳卒中の予防となると予測できます。
このように、「これを調べるにはこの研究」と、1つのパターンしかないのではなく、
どの研究で調べるのかを選べると認識されておいてください。
ただし「調べたい事項」により適した研究方法はあります。
例えば上記の例の場合、過去の話からビタミンCの習慣的な摂取量を正確に把握することはなかなか難しいので、
コホート研究や介入研究の方が適していると言えます。
>29-6のアスベストの問題では、解答が症例対照研究ですが、
これは、過去に受けたアスベスト(原因)によって悪性中皮腫になったかを調べるから症例対照研究なのですか?
これは、症例対照研究で、石綿(アスベスト)への職業性曝露と悪性中皮腫発症との関連を調べられるから正解です。
ですが、この場合もコホート研究で調べようと思えば調べられます。
その場合、
アスベストに曝露されている群と、曝露されていない群を集めてきて追跡し、
悪性中皮腫になる割合を比較します。
ただし、介入研究では倫理的な問題があるので、調べられません。
人為的にアスベストを多く吸わせる群を介入群とするためです。
メールの文章から理解できていらっしゃると思われます。
あとは、「これを調べるにはこの研究」と、1つのパターンしかないのではなく、
「これを調べるにはこの研究が適している」という考え方で学んでみてください。
みなさんも!またご不明点がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ!